ところがこの無人販売所、意外にも好評で、売上もよかった。そして来る方の「いつでも野菜が買えるといいな」、「こんな野菜もあるとうれしい」という要望に応えていくうちに、参加される生産者も増え、現在の直売所の形になりました。 最初は十数人の生産者からスタートしたそうです。 「何も特別なことはしていないのですよ。生産者の方にやり方を教わって、お客さんの要望に応えていくうちに、大きくなっただけなのです」と小安さん。
さて、さっそく店内を見てみましょう。 入口にたくさん並んでいるのが旬の苗。奥にもたくさん観葉植物が並んでいます。 ガーデニングや家庭菜園をやっている方には大助かりです。
こちらのアンチョビドレッシングは私が「田舎のお土産」として都会人に買っていく定番商品。 地元の若い移住者が作っているのですが、ラベルもオシャレだし、野菜にかけてもパスタにかけてもおいしいのです。
自然食愛好家にうれしいことに、こんな「健康食品」のコーナーもありました。 動物性を使っていないベジタリアン食品や無添加のお菓子、伝統製法で作られた醤油や塩、調味料など。
地元の方が作ったお弁当などの総菜や、農家のおばあちゃんが作った手作りの加工品なども充実しているのが特徴です。 こちらはおやつにいただいた栗の渋皮煮。 巨大な栗が8個入って350円。
こんな風に、ぐるっと店内を見て歩いて楽しい直売所はそうありません。 買い物しやすいように、売り場の配置などをちゃんと工夫していることが伺えます。
さて、こちらの「なのはな」に出品するにはどうしたらいいのでしょう? 出品条件として農薬基準があるそうです。 また、入会金は2万円で、バーコード1枚につき1円。手数料は売上の20%となっています。 地元の生産者でも大きな負担にはならないよう、配慮されています。
生産者のなかには、定年後や移住後に、第2の人生をスタートするべく農業者になる方も増えているそうです。 値段は自分の思い通りに設定できるため、土や気候と相談しながら決められます。 どこよりもおいしい野菜を作ることに日々集中できるのです。 なかには、「どうしたらおいしい野菜が作れるのか」を気さくになんでも教えてくれる先輩農業者もいらっしゃるそうです。 「なのはな」の生産者は、お互いにライバルではなく、ともに助けあい、高め合う仲間のようです。
コンビニの片隅に立つ小さな無人販売所からスタートした「なのはな」。 屋号の謂れは、「菜(野菜)と花が売り物のメインだし、だれでも親しみやすく、明るい気持ちになるから」だそうです。 地域で愛される大きな直売所になった理由は、生産者とお客さんの気持ちをだれよりも理解し、応援する気持ちがあったからこそ。 そんなホットな話を胸に、ぜひみなさんも寄ってみてください。
地域特産ショップ「なのはな」 (http://isumi.info/shop/nanohana/) 住所 いすみ市日在1180-1 電話 0470-64-0502 営業時間 8:00〜18:00 お休み 正月(1月1日〜5日まで) ※2013年に同場所にてリニューアルオープンいたしました。