いすみのアトランティス・ムー伝説は、太平洋ならでは!?
この周辺には、ミステリアスな伝説もあります。
「沖原村」のお話。
「津々ヶ浦」の南にある、今も波によって浸食されているという太東崎。
この沖では昔、船の難破が多かったそうです。これは海底に岩があり、この付近が浅瀬になっているためであるといいます。
伝説というだけあっていつ頃かは不明ですが、今の太東崎の続きがもっと長く突き出ていたといいます。
その先に平和な村があり、ここを沖原村と言ったそうです。ここの住人は津波や浸食のため(一説によると、元禄地震の津波の際)この地を逃れ、太東崎から西に直線で10キロほど行ったところにある集落、現在のいすみ市荻原へ移り住んだとか。
荻原という地名も、もとは「沖原」からきているそうです。 まさに「いすみの失われた大陸アトランティス・ムー」。
こんな伝説があるのも、この辺りの昔からの浸食の激しさがあるからでしょう。
この海に沈んだと言われている一帯は、今では「器械根」と呼ばれる魚介類が豊富に獲れる漁場の一部になっています。
この津々ヶ浦とその周辺の魅力は、その自然の雄大さ・・激しさとはかなさにあります。
スピリチュアルなことに興味のある人たちは、津々ヶ浦を隠れたパワースポットと呼んでいるそうです。
荒々しく打ち寄せる波、消えそうながらも凛と立つ二つ岩、その二つ岩の頂上にわずかに残された木々の生命力。
ここに立つと房総の海の強さを肌で実感できる。そしてゆっくりとしかし確実に刻々と形を変えていく地球の一部分を、この岩と南北にそそり立つ崖から見ることができます。
以前あった他の岩が辿ったように、いずれなくなってしまう運命のこの二つ岩。
この自然の前では人間は小さく無力、ここに立つと日々の苛立ちや悩みをしばし吹き飛ばしてくれます。
地元の人たちが、ちょっとした時に訪れる憩いの場。
津々ヶ浦が形を変え二つ岩が消えてしまう前に、自然の諸行無常に身を委ねに、この大自然に会いに行ってみてはいかがでしょう。
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