一日目 − 汐ふみ、マチウタ、大別れ
さて、いよいよ祭り当日。
支度を終えて私たち(「取材〜?祭り出んのにカメラなんか持てねぇよ〜!」と言われてしまった私に代わって、岡田美保・鶴淵修子が取材係に)が向かったのは貝須賀・鹿嶋神社。
各神社、初日は朝6時〜6時半から渡御(各神社の神輿がそれぞれの神社へごあいさつ・巡幸に行くこと)が始まっています。鹿嶋神社は渡御が一段落ついた昼食休憩の場所でした。
そこから大原漁港まで約2.8q、渡御に参加スタート!
とにかく最初はついていきます。神輿に離されないよう…けっこう早いっ。早歩きくらいです。
途中、神輿に触らせてもらえることに。
神輿本体の脇、「箪笥」と呼ばれている場所です。
ここは、神輿が平衡を保てるように両脇で支えながらバランスをとる場所。
持ってみると、なかなか力が要ります。左右に揺れる神輿を左側へ持ち上げたり右へ引っ張ったり(私は神輿から向かって右側)。
箪笥を持ちながらふらふらする私の後ろで、ベテランが神輿を支えてくれています。
「ほらやっさ」の掛け声とともに、神輿は大原漁港へ。他の神社も続々と参集してきます。
着いた神社から漁港荷捌き所の周りをぐるぐるぐるぐる。すごい勢いで走りだします。
前も後ろも神輿が追い付け追い越せの勢い。私は…途中で脱落(笑)。
それが終わると、今度は次々と荷捌き所の中に入り、神輿を高く放り上げ。高ければ高いほど、周りからは拍手喝采が起こります。
全ての神輿が荷捌き所の中に整列すると、五穀豊穣大漁祈願祭が始まります。 太田市長が海に向かって矢を射る「二矢放流の儀」。
わいわいがやがやしながら「どこ飛んでった?」とか「今年はあんまり飛ばねったなぁ」なんて話したり。
祈願祭が終わると、いよいよこの祭りのハイライトの一つ、「汐ふみ」が始まります。
次々に大原海水浴場に整列していく神輿。観光客も含めたくさんの人。砂けむり。高まるエネルギーを感じます。
整列した神社は神輿を高く掲げ、次々と海へ。現在は約10社の神輿が汐ふみをします。
腹から胸辺りまで海につかり、ひとしきり神輿を踊らせ、上がってきます。
中にはなかなか上がってこない神輿も。浜の方の神社は例年最後まで残るそう。
大原八幡はそれから商店街へ。
商店街渡御が始まります。いくつかの神輿が人のごった返す商店街を行ったり来たり。
途中、誰からともなく祭唄(祭り人は「マチウタ」といいます)がはじまり、合いの手が入り、扇子が舞い…。それはそれは賑やか。みんな心底楽しそう♪
夕方薄暗くなってくると、祭り第二のハイライト、「大別れ」。
大原小学校の校庭に、神輿が再び参集。高張や神輿の提灯にろうそくの明かりが灯り、幻想的な雰囲気です。
…と思ったら、校庭に着くなり神輿は走り出す。
初めて祭りに参加したものとしては、幻想的とはいえない大別れ。
止まったら後から迫る神輿に押し倒されるし、神輿とはぐれてしまったら初めての私は探すのに苦労するし、とにかく走る!必死で自分の神輿についていきます。
それが終わると各神社が神輿を高く掲げて合わせ、「若ぇもんども、別れが辛い 会うて別れがよー 泣けりゃよい」という、哀愁こもった「マチウタ」が唄われます。
(自分が一息ついていることもあって、)この場面はとても幻想的でした。ろうそくの火がともるたくさんの提灯、煌びやかな神輿、と「マチウタ」。
「大別れ」とはいいますが、祭りはこれで終わるわけではなく、夕食をとると再び神社に集合。
各神社に帰っていく神輿との別れ、近所の神社への渡御と続きます。
初日の宮入りは夜12:30過ぎ。長い初日でした〜。 |