ピンと来た方向に走り、今、この瞬間を生きる
北海道出身の勝義さんは、高校時代は全然やりたいことが見つからなかったと言います。ずっと部活でブラスバンドに集中していて、引退時の喪失感もあったそうです。
「高校の時は全然やりたいことが見つからなくて、卒業しても大学とか行かなかったのね。何がしたいか分からなかったというのもあって。流れで大学行ってもなんかおもしろくないし、行った人の話を聞いても楽しんでいるのかな?という感じだったから行くのをやめたんだ。
2年くらいバイトしながら旅をして、何か面白そうなゼミを見つけて、やっと勉強して。そのゼミに入るために大学に入りました。」
「ピンと来たから」と、自身の行動について振り返る勝義さん。そこには、人生の中で数多あるチャンスに気付き、周りとの比較ではなく自分の感覚を信じ行動する、好奇心と可能性を信じて生きる姿が垣間見えます。
大学では東京に出てきて国際関係について学び、卒業後1年間は放浪の旅へ。
「大学にいた事から卒業したら海外に行きたいと考えていて、目的はあまり持たずに、いままでの勉強のためとは違った旅をしていたね。今日どうしよう?晴れたら洗濯をして、本を読んで、買い物でもしようかなあとか。」
日々の流れに身を任せている中で、わずかな変化やチャンスを掴む。そして、行動すると面白い事が起こる。その感覚を旅の中で培ってきたのではないでしょうか。
やがて、それからの人生を決める「食」に導かれていきます。
「そろそろ良い年齢だし、仕事で何かしら方向付けをしたいな思っていて。ただ、その場その場での仕事だけだと、面白みも無いし、自分のためにもならないから。居酒屋とかのバイトがそれまでは中心だったけど、食のことをしていて楽しかった経験から、“やってみたいな”と思ったのね。」
「食」に方向付けをした勝義さんは、大学時代に聞いたブラウンズフィールドという、千葉県いすみ市にある自然と繋がった暮らしを提案する場所を思い出します。早速、持ち前の行動力で1日体験に参加。そこから、新たな縁が生まれます。
「自然と共に生活しているのを聞いて魅力的に感じていて、ちょうど1日体験っていうのがあって、店長募集をしています。じゃあお願いします。」という感じでそのまますんなりとカフェの店長に。
『green+』で行われた御田さん夫妻の結婚パーティー。
こうしてカフェの店長をしながら近所のシェアハウスに住んでいた勝義さん。そこで将来結婚する亜季子さんとの出会いも生まれました。
旅を通して、多くの人に出会い様々な判断を自分で決めて行く。その中で言葉では表現できない感覚を磨いていてきた勝義さん。「ピンと来るか?」というキーワードの元、考えるだけでなく行動する事で今の自分自身へと繋がっていく。
御田さん夫婦は、この感覚を言葉にしなくとも2人で共有しているように感じました。2人の出会いも偶然ではなく、行動から生まれた必然なのかもしれません。 |