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まきべ〜のおでかけ日記
いすみライフマーケット
NPO法人 いすみライフスタイル研究所

自分生活@いすみ

第12回
感謝して生きる - 海の男Daikiさんのクリエイティブ・ライフ

写真・文:重野藍子
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関根大貴さん(Daiki flower 作家・デザイナー)
1981年生まれ

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「漁師」と「絵描き」の兼業?!

大原のとある小さな漁村。ここに、Daiki flower のアトリエがあります。
きれいに手入れされた生垣に囲まれた伝統的な平屋建て、玄関とは別の入り口を上がるとそこはまさに絵描きのアトリエ。
壁一面の作品、たくさんの画材、そこにDaikiさんの育てる植物たちが調和します。

ここはDaikiさんが子供のころから自身の部屋として使ってきた場所。年月とともに積み重ねた作品でいっぱいのこの部屋は、今では昨年結婚された奥様との共同のアトリエとなっています。

Daikiさんのアトリエ

Daikiさんは生まれも育ちも大原の、生粋の大原人であり「海人」。
実家は代々続く漁師の家系。
おじいさんの代までは専業漁師、お父さんは左官業もこなす兼業漁師です。
Daikiさんは絵描き・デザイナーの兼業漁師。
8月〜9月のイセエビ漁の時期には、親子で漁に出ます。
よく、家業が嫌で家を出るなんて話を聞きますが、Daikiさんにはそういう感覚がなかったそうです。

「それがやりたいとかやりたくないとかそういうことじゃなくて、漁がとても自然なこととして身近にあった。」というDaikiさん。

そんなふうに家業を継ぎながらも、絵描き・デザイナーとしてポップなものから柔らかなタッチの作品まで幅広く手掛けるDaikiさんの日常を覗いてみました。

Daikiさん  関根家の漁船・早朝の漁の様子

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絵を職業にしてから「ありがとう」が増えた

Daikiさんのアーティストネーム「Daiki flower」のflowerは、60年代〜70年代ヒッピーカルチャーのひとつ、フラワームーヴメントやフラワーチルドレン(当時花をまとって反戦を訴えたヒッピーたち)に由来します。
10代のころ、たまたま目にした彼らのスタイルやアートのセンスに感銘を受けたことがきっかけ。
Daikiさん自身花が好きだったということもあり、アーティストネームにflowerを入れたんだそう。

小学校2年生くらいから絵を描き始め、小学校6年生の時にははだか祭りの神輿を描いた作品が第16回全国海の子絵画展で全国漁業協同組合連合会会長賞を獲得、その絵はDaikiさんの原点として今でもアトリエを飾っています。

はだか祭りの絵  マインドが負の時代の絵

10代から20代前半までは反骨精神の象徴、パンクの影響を受け世間に反抗的だったといい、本人いわく「マインドが負の時代」だったそうです。

10代、20代のころは人に対する感謝の気持ちがなかった、とDaikiさんは言います。

作品「絵描きになりたい気持ちはあったものの、それを実現することが難しかった。今思えば、感謝の気持ちがなかったから、職業にしたくてもできなかった。20代後半になって、自分の中に‘ありがとう’が芽生えたから絵を描くことを職業にできたのかも。」

27歳の時に本格的に作家を志し絵で食べていくようになってからは、絵に感動してくれる人々に出会い、‘ありがとう’の気持ちをより大切にするようになったといいます。

「絵を職業にするようになってから‘ありがとう’が増えたんだよね」という言葉が印象的でした。

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足型から作る「キリンの絵」

作家として本格的に活動してから、Daikiさんがたくさんの依頼を受けているキリンの絵。
この作品のキリンの顔、何かに見えませんか?

実はこれ、人の足型がもとになっています。
足の裏をキリンに見立てるとは斬新なアイディアですが、Daikiさん自身はずっと前から「人の足形はキリンの顔に似ている」と思っていたそうです。
妹さんのお子さんが1歳になったお祝いに、お子さんの足型をとってキリンの絵にしてプレゼントしたことが始まり。
(写真内、右が初めて描いたキリン、左が現在描いているもの)

キリンの絵

キリンの絵

「お客様の自宅に飾ってあることがすでに宣伝になっている」と言うとおり、ほとんど口コミのみにも関わらず、今では順番待ちになるほどの人気ぶり。
結婚のお祝いや出産、お子さんの誕生日などに注文する人も多いのだとか。

他にも依頼絵画や手書き名刺、イベントフライヤーの作成などを手掛けています。
(写真左:制作風景)

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暮らしを手作り

結婚パーティ奥様の純子さんとは昨年7月に結婚。
結婚パーティー会場は、Daikiさんが以前働いていたこともある東浪見のバー「TOPANGA」。 当日の飾り付けやゲストへのプレゼントも全て手作りしました。

中でも心を込めたのが、二人の座る雛壇の後ろに飾られた大きな屏風。

「この絵は、ジイチャンの腕に彫られていた刺青をジイチャンが死んだ年に描いて、それをその年に結婚したオレと純子の結婚パーティーの時、オレと純子の席の後ろに飾る屏風にした。
オレの結婚を1番心配していたジイチャンが、その年に死んでしまって出席できなかったから、この絵はジイチャンだと思って結婚パーティーに出席させたんだ。」

玄関に飾ってある屏風(写真上:結婚パーティーの時のショット、写真左:この屏風、今は自宅玄関に飾ってあります。)

今は、絵やデザインを仕事にする傍らガーデニングや畑、家の改築に興味があるそうです。

「家を自分で建てるって贅沢だよね。」というDaikiさん。9月には奥様が出産予定、新しい家族が増えるということもあって家の増築を考えているそう。奥様のお父様が大工ということもあり、増築は二人で手作りの予定です。

「完全な自給自足は無理だけど、できるものはできる限り手作りをして、自分の作ったものに囲まれて暮らしたい。」

手作りのものには自分の味が出ます。Daikiさんのいる空間には、アトリエにも庭にも畑にも、彼のエッセンスが効いています。

この日は家族や友人とのバーベキューにお呼ばれしての取材。

お宅は海の目の前。
新鮮な海の幸が並び、自分の家族、兄弟の家族、奥様の家族、友人たちが休日に集まって午前中からゆるゆると食事したり会話を楽しんだりしています。
なんでもない、彼らにとってはふつうの、でもとても贅沢な日常。

田熊さん  2013年4月の座談会

ここでは、なにか特別なことをせずとも日常がとても贅沢です。
「ない」ことを嘆くのではなく、「ある」ことに感謝する。
それが、豊かな暮らし方なのかなと感じました。

フライヤー☆Daiki flowerの展示会が開催されます!
「Daiki flower展」
7月7日(日)〜7月28日(金)
ギャラリー&バーC.O.D(東京都港区北青山2-11-17)
Open11:30 close24:00

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